中小企業でデジタルトランスフォーメーション(DX)が上手くいかない理由 1

 お客様からのご要望でデジタルトランスフォーメーションに関することが増えています。デジタルトランスフォーメーションとは、IT技術を駆使した業務の電子化を進めることですが、最近弊社が耳にするお客様の声、お困りごとランキング上位をあげてみます。

  1. 高額なデジタルツールを導入したものの業務の効率化が進まない、結果が出ない
  2. 社内業務がデジタルベースと紙ベースで併用運用されている
  3. 社員がデジタルツールを使いこなせていない

 中小企業の場合、人手不足なところをデジタルツールを導入することにより補完したいと考えて導入している事例が多いです。高額な経費を使ったデジタルツールもいずれは人件費の削減につながるはず、と簡単な計算で終わらせてしまうわけですが、そこには大きな落とし穴があります。

 特にありがちなシチュエーションが、ツールを導入し終わった後に、デジタル化の業務フローに組み込まれなかった数々の業務が発覚して、結局、デジタルと手作業が混在してしまうこと。一番残念な結果ですね。

 DXを進める前にまずお勧めしていることは、定型業務については全てマニュアル化することです。日々変化する業務については別にお伝えすることにします。

 このファーストステップを踏むことで初めて最適なDXへの一歩が可能になると考えていいでしょう。その際にどんな小さなタスクも拾い上げることです。そうすることで、ツールを導入する上でタスク漏れのない業務フローにすることができます。

 人手不足の中小企業ではこういったマニュアル化が進んでいない場合が多く、また業務が属人化しているため、メンバーの資質によって企業全体の業績が上下することも多くあります。知見を継承する意味もありますので、まずはマニュアル化を勧めましょう。