【SDGs】【IT】2021年の企業経営と投資家

2021年も、皆様とステークホルダーの方々を含めて、三方良しの心得を忘れずに取り組んで参ります。何卒よろしくお願い申し上げます。今回は、企業経営の最重要課題に浮上しているSDGs(持続可能な開発目標)について書きたいと思います。


投資家の変化(ESGとリターン)

SDGsという言葉は、2015年9月の国連サミットで採択されました。国連加盟193カ国が、2016年から2030年の15年間で達成する目標です。環境、社会、企業統治に配慮している企業へのESG投資など、欧米では早い段階で経営の最重要課題になっていましたが、日本でもこの1~2年で頻繁に話題に上がるようになりました。学校教育でもSDGsに関する課題解決を授業に取り込む事例が多く見受けられます。


グローバル企業とSDGs

実際、グローバル企業に従事しながら欧米と取引をしているとSDGsを意識する瞬間が少なくありません。顕著に数字として表れたのが投資家の動きです。

これまでの企業やそのプロジェクトを評価する方法としては、投資してきた金額とその期間から算出された内部収益率(IRR)を年ベースで比較分析する手法が使われてきましたが、最近では、リターンだけでなく、SDGs(持続可能な活動)にも着目しています。


SDGs専門ファンド

このところ、「SDGs株式ファンド」が顕著な伸びを見せています。

グローバルSDGs株式ファンド

グローバルSDGsエクイティ・マザーファンド」を通じて、主として世界の取引所に上場している株式の中から、SDGs(持続可能な世界(あらゆる形の貧困を解消・不平等の撲滅・気候変動の改善など)を実現するための17の目標・169のターゲットから構成される)の達成への貢献が期待される企業の株式に投資を行う。原則として対円での為替ヘッジを行わない。

https://www.nikkei.com/nkd/fund/?fcode=79313191

こういった傾向は世界的に拡大しているようです。企業の事業活動にSDGsの要素を入れなければ、今後は投資家から資金を集めにくくなるでしょう。


持続可能な開発目標(SDGs)に向けた進捗状況の測定について(英語)

国連や他の国際機関からの公式統計を使用して、データベースを構築した無料サイトもあります。2030年までのSDGsに向けた世界的な進歩をトラッキングし、最新の情報源として国連を支援しています。2030年まであと9年。こちらのサイトも参考にして頂ければと思います。

SDG Tracker


SDGsと事業活動への初期投資

持続可能な世界を実現する、その重要性について認識はあったとしても、事業活動の中でそれを可能にすることは容易ではありません。


食品に関する事業活動の例

例えば、食物に関するSDGsで農林水産省が課題と挙げている一つ、「フードロス問題」や、「農家の人員不足」なども、規格外製品を購入できる販路や流通ルートを設ける、あるいは最先端のAI(人工知能)とIoT技術を用いて生育条件をデータ化したり収穫期の予測をすることで、規格外製品を減らしたり、人手不足を補うなどの対策が考えられます。これらの取り組みはSDGsの理念に沿ったものだと考えています。


SDGsと投資リターン

SDGsを意識した事業活動は、初期投資が増えるかもしれません。経済専門家によると「SDGsファンドは期待リターンが低いことが多く、調達コストもその分下がるので、事業収支と資金調達の両面でバランスが取れる」との見解が出ています。AIやIoTなど新しい技術を導入し、最適な生育条件や収穫期を予測できるようになれば、電力エネルギーのコスト削減も大きいでしょう。こういったことを試行錯誤しながら実行し、中小企業の事業に反映できるようにすることが、当ファームの一つの役割と考えています。


当ファームの取り組み

次世代が活躍する未来社会を良くする会社を増やす。

このミッションのもとで2021年もSDGsを後押しするような事業活動やプロジェクトを構築していきたこいと考えています。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。