【地方移住とテレワーク】の未来 -2021年-

地方出身者としては、コロナ禍の中で話題となっている地方移住とテレワークという言葉を目で追いがちになります。

  • 都心から地方移住とテレワークを検討している時に何をポイントに考えればいいのか?
  • 地方に暮らす住人が都心から移住してくる動きをどのように捉えているのか?

今回はその2点について書いてみます。

都心から地方移住とテレワークを検討している時に何をポイントに考えればいいのか?

筆者もテレワーク中ですが、地方移住とテレワークというテーマについては一度記事にするつもりでした。高知県出身ということもあり、たまたま友人の紹介で知り合った井上 有加さんの記事をまずご紹介します。

▼サステナブル・ジャパン(2020.12.12)

ミレニアル世代から見た林業 100年先の未来を考える
地方移住から、暮らしの再生を考える:田舎暮らしは人間臭く、面倒臭く、土や草のにおいがする

https://www.sustainablebrands.jp/sp/article/sbjeye/detail/1199748_2142.html

田舎暮らしは人間臭く、面倒臭く、土や草のにおいがする

この言葉は本当に的を得ています。田舎・地方にはそれなりの人的ネットワークがあり、仕事と家庭の人間関係が絡み合って存在しています。オンとオフを切り替えて・・・など都会的な感覚では生活がしづらいです。いい意味で人間臭く、面倒臭い。おせっかいと感じることも多々あります。

季節の移り変わりと共に生きる

ただ、季節と共に生活する知恵が身に付けば、四季折々の行事で忙しく、独りを感じる時間はないので、地方の暮らしに温かみを感じる人もいます。自分に「田舎耐性」があるかどうかを見極めてから移住できる方法があるので、いきなり田舎暮らしをスタートさせるのはあまり得策ではないと考えます。

高知家で暮らす

地方の自治体も、移住してきた人たちが長くその土地に住んでくれることを望んでいます。『お試し田舎暮らし』をサポートする事業も各自治体で設けられているので、しっかりと調べ、わからないことは各自治体までお問い合わせください。

地方に暮らす住人が都心から移住してくる動きをどのように捉えているのか?

パソナの本社移転とテレワーク

パソナの本社移転は記憶に新しいニュースです。東京から兵庫県淡路島に数千人の従業員と共に大手人材派遣会社の本社機能が移転してきました。地域住人にとっては、雇用の創出と地域活性化につながり、都心で働く従業員にとっては環境の良い中で仕事や子育てができる。お互いにwin-winの関係だと言い切りたい所ですが、それはあくまでも短期的な話です。

地方移住を長期視点で考える

20年以上の長期で考えると、地方暮らしが合わずに都心に戻る従業員も出始めるでしょう。地域の経済活動が大手企業の従業員に依存的になり、地場特有の産業が潰れるなど、ネガティブなことも起き始めます。最も大きなダメージは、大手企業の事業方針が転換し、再び移転するなど経済活動の空白地帯を地方に生み出してしまうこと。実際に1990年代のバブル崩壊により、時間が止まったままの地方エリアが未だに存在しています。それを知っている地域住民は、大手の地方移転を少し懐疑的に見ているのも事実です。

地方移住とテレワークが上手く進むにはどうすればいいのか?

極端に大規模な人の流れはリスクも伴います。地域経済の動きに突発的な変化をもたらすことがないレベルで、小規模な移転を繰り返し、少しずつ地域経済と馴染むようにしていくのがベターだと考えています。シェアオフィスの活用や、地方の空き家問題を解決するADDressのようなサービスの利用など、情報セキュリティの確保と従業員のソフト的サポートをしながら事業活動を継続する。今まで見えなかった課題が浮き彫りになったコロナ禍において、解決すべき課題は多くあります。

逆にその課題を解決できない限り、2021年以降の事業活動に支障をこともあるでしょう。経営者がスピード感をもって対応が必要なテーマだと考えています。